写真1:宇宙機カッシーニが2005年2月に撮影したエンケラドスの表面 (提供:NASA/JPL)
写真2:エンケラドスの写真 (提供:NASA/JPL)
写真3:エンケラドスの写真 (提供:NASA/JPL)
これらはコンピュータ・グラフィクスでなく本当の写真です。きれいですね。エンケラドスは厚い氷におおわれており、そのため太陽の光を反射して、太陽系内で最も反射率の高い天体です。
2005年2月にカッシーニがエンケラドスから吹き上がる間欠泉のような水柱を観測しました[1]。エンケラドスの厚い氷の割れ目から水が吹き上がっているというのその観測は、まさに驚きです。さらに、この水柱には水(H2O)だけでなく、メタンやプロパン、アセチレンやホルムアルデヒドなども含まれていました。
写真4:カッシーニが観測したエンケラドスから吹き上がる水蒸気 (提供:NASA/JPL)
写真5:カッシーニが観測したエンケラドスから吹き上がる水蒸気 (提供:NASA/JPL)
ちなみに地球で見られる間欠泉はこんな感じです。
写真6,7:地球上で見られる間欠泉
さらに、2014年にはNASAはこれまでの観測から、エンケラドスの氷の下には「液体」の水をたたえる海があるとの結論を発表しました[2]。それらのことからエンケラドスは次のような構造になっていると想像されています。
図1:エンケラドスの構造(想像図)。(提供:NASA/JPL)
図2:エンケラドスの表面構造 (提供:NASA/JPL)
すなわち、海底から吹き上がる熱水と、それらが氷の地面を通じて衛星の表面に噴出してくる構造です。地球にもそのような場所は沢山あり、その熱水の吹き出す部分では独自の生態系を持つ多様な生物が生存しています。このようなことからエンケラドスは地球外の生物が見つかる可能性のある衛星としてとても注目を集めています。厚い氷を掘り進める研究もおこなわれています。
もしエンケラドスに着陸することが出来れば、そこから見える景色は以下のようなものでしょうか。氷の下の海にはいったい何が見えるのでしょう。
参考資料
[1] Porco, C. C他."Cassini Observes the Active South Pole of Enceladus". Science 311 (5766): 1393–1401
[2] Platt, Jane; Bell, Brian (2014-04-03). "NASA Space Assets Detect Ocean inside Saturn Moon". NASA. Retrieved 2014-04-03.
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