2015年7月4日土曜日

ガニメデ(Ganymede)

ガニメデ(Ganymede)は木星の衛星です。
True-color image taken by the Galileo orbiter
写真:宇宙機ガリレオが撮影したガニメデの写真(提供:NASA)

ガニメデは太陽系で一番大きな衛星で、なんと惑星である水星よりも大きいのです。


図1:太陽系の惑星と衛星の大きさ(一部)

このように比較すると、地球や火星に比べても大きな「月」であることがわかります。

ガニメデはまた太陽系の中で唯一磁場を持つ衛星としても知られています。

2015年3月、ハッブル宇宙望遠鏡によるガニメデと木星のオーロラの観測から、ガニメデの地下には塩水の海があるとの研究発表がなされました[1]。

図2:ガニメデのオーロラのイメージ図(提供:NASA)

計算によると、海の深さは100kmあり地球の最も深い海の10倍もあります。地下の海水の総量は地球上のすべての海よりも多いそうです。表面には厚さ150kmの氷の層があり、その多くは水(H2O)の氷ですが、二酸化炭素や、二酸化硫黄や、シアン、硫酸塩、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムなども観測されているそうです。これまでの研究からガニメデの内部は次の図のようではないかと考えられています。

図2:ガニメデの内部構造 (提供:NASA/JPL-Caltech)

欧州宇宙機関ESAが2022年に打ち上げて2030年に木星に到着するJupiter Icy Moon Explorer (JUICE)の観測に期待がかかります。

[1] "NASA’s Hubble Observations Suggest Underground Ocean on Jupiter's Largest Moon". NASA News. Retrieved 2015-03-15

エウロパ(Europa)

エウロパ(Europa)は木星の衛星です。

写真1:エウロパ 提供:NASA / Jet Propulsion Lab-Caltech / SETI Institute

表面は氷で覆われています。また非常に薄いですが酸素の大気も存在するようです。表面は筋やひび割れで覆われていますが、一方でクレータは少なく、太陽系の固体の物体としては最もクレータの少ないものです。このため、氷の表面の下に液体の海があり、それによって丁度地球の大陸移動のように表面が移動して、常に新しい表面が生まれているのではないかと考えられていました。

図1:エウロパの内部構成図 (提供:NASA)

さらに、2013年12月、NASAはついにエウロパの表面から水蒸気が吹き上げているのを観測したと発表しました。この噴射は200kmもの高さに及びエベレストの20倍にもなるというものです。ちなみに地球でも同じような間欠泉は見られますが(写真2)、さすがにそのような高さには及びません。

エウロパ表面から見える景色はこのようなものではないかという想像が、参考資料[1]に出ています。

図2:吹き上がる間欠泉を含む、エウロパ表面からの景色の想像図[1] (提供:NASA)

液体の海の存在と、活動的なその性質から、生命が存在するのではないかと考えられている惑星の一つです。従って各国が探査機を送ることを考えていますが、地球からの遠さとその技術的難しさのために容易ではありません。2004年にNASAが提案したJupiter Icy Moons Orbiter (JIMO)ミッションは、なんと総額1.6兆円!。さすがの宇宙大国アメリカをもってしてもそのあまりの壮大さにキャンセルされました。その後も検討が続けられ、欧州宇宙機関ESAが2022年に打ち上げて2030年に木星に到着するJupiter Icy Moon Explorer (JUICE)や、NASAが2025年打上を予定しているEuropa Clipperなどが計画されています。いずれにせよ壮大な計画ですね!

参考資料
[1]Cook, Jia-Rui C.; Gutro, Rob; Brown, Dwayne; Harrington, J.D.; Fohn, Joe (12 December 2013). "Hubble Sees Evidence of Water Vapor at Jupiter Moon". NASA.

エンケラドス(Enceladus)

エンケラドス(Enceladus)は土星の衛星です。

写真1:宇宙機カッシーニが2005年2月に撮影したエンケラドスの表面 (提供:NASA/JPL)


写真2:エンケラドスの写真 (提供:NASA/JPL)

写真3:エンケラドスの写真 (提供:NASA/JPL)

これらはコンピュータ・グラフィクスでなく本当の写真です。きれいですね。エンケラドスは厚い氷におおわれており、そのため太陽の光を反射して、太陽系内で最も反射率の高い天体です。

2005年2月にカッシーニがエンケラドスから吹き上がる間欠泉のような水柱を観測しました[1]。エンケラドスの厚い氷の割れ目から水が吹き上がっているというのその観測は、まさに驚きです。さらに、この水柱には水(H2O)だけでなく、メタンやプロパン、アセチレンやホルムアルデヒドなども含まれていました。
写真4:カッシーニが観測したエンケラドスから吹き上がる水蒸気 (提供:NASA/JPL)
写真5:カッシーニが観測したエンケラドスから吹き上がる水蒸気 (提供:NASA/JPL)

ちなみに地球で見られる間欠泉はこんな感じです。

写真6,7:地球上で見られる間欠泉

さらに、2014年にはNASAはこれまでの観測から、エンケラドスの氷の下には「液体」の水をたたえる海があるとの結論を発表しました[2]。それらのことからエンケラドスは次のような構造になっていると想像されています。
図1:エンケラドスの構造(想像図)。(提供:NASA/JPL)

図2:エンケラドスの表面構造 (提供:NASA/JPL)

すなわち、海底から吹き上がる熱水と、それらが氷の地面を通じて衛星の表面に噴出してくる構造です。地球にもそのような場所は沢山あり、その熱水の吹き出す部分では独自の生態系を持つ多様な生物が生存しています。このようなことからエンケラドスは地球外の生物が見つかる可能性のある衛星としてとても注目を集めています。厚い氷を掘り進める研究もおこなわれています。

もしエンケラドスに着陸することが出来れば、そこから見える景色は以下のようなものでしょうか。氷の下の海にはいったい何が見えるのでしょう。

参考資料
[1] Porco, C. C他."Cassini Observes the Active South Pole of Enceladus". Science 311 (5766): 1393–1401
[2] Platt, Jane; Bell, Brian (2014-04-03). "NASA Space Assets Detect Ocean inside Saturn Moon". NASA. Retrieved 2014-04-03.