カンブリア紀の生き物たち
地球が全球凍結し、殆どの生き物が死に絶えた後に、その厳しい環境を地球のどこかでやり過ごした生物が、地球が再び温暖になった後にいわゆる「カンブリア爆発」と呼ばれる生命の大進化を起こした。現在地球上で生き延びているすべての祖先のみならず、現在地球上にはその類似種さえもみられない「とても変わった生き物」のオンパレードであるカンブリア紀の生き物たち。
人類が、もしどこかで地球外生命に出会った時、それらは我々から見たら「とても変わった生き物」であろう。相手から見てもそれは同じ。そのためにもカンブリア紀の生き物を鑑賞しておくことは、その日を迎えるために大切な心の準備である。
カンブリア紀の生物に関しては王立オンタリオ博物館のサイトがなんと言っても素晴らしい。ただし、英語であることと、説明が網羅的で完璧すぎるので、ただその生き物たちの「奇妙さ」を味わいたいだけには情報が多すぎる。そこでここでは、「想像図」「(想像図のものととなった)化石」「大きさ」「名前の由来」の4つだけに情報を絞って記載する。すべてオンタリオ博物館のサイトが元の情報になっているので、詳しく知りたい方はぜひ辞書片手にそちらのサイトを参照されたい。
Anomalocaris
アノマロカリス
想像図
化石
大きさ
1m
名前の由来
ギリシャ語のanomoios(奇妙な)とラテン語のcaris(エビ)から「奇妙なエビ」
Hurdia
フルディア
想像図
化石
大きさ
50cm
名前の由来
Yoho国立公園の中にある、カナディアン・パシフィック鉄道の現在は使われていないLeanchoil 駅の北東にあるHurd山という山の名前から。
Laggania
ラガニア
想像図
化石
大きさ
50cm
名前の由来
現在は使われていない、カナディアン・パシフィック鉄道の駅の名前「Laggan」から。
Louisella
ルイゼラ
想像図
化石
大きさ
30cm
名前の由来
Burgess Shaleの近くにあるLouise湖から。
Lyracystis
想像図
化石
大きさ
21cm
名前の由来
「竪琴」を意味するギリシャ語のlyraと、嚢を意味するkystisからなる。竪琴状のものが生えた球形の嚢に見えることから。
Thaumaptilon
サウマプティロン
想像図
化石
大きさ
葉っぱではなく20cmぐらいある大型の動物。これは現在のウミエラに近い生き物と考えられている。
これが現代のウミエラ。確かに良く似ている。英語ではsea penと言う。
名前の由来
ギリシャ語で「すばらしい」を意味するthaumaと、柔らかい羽根を意味するptilon。つまり「すばらしく柔らかい羽根」。
Emeraldella
エメラルデラ
想像図
化石
大きさ
20.2cm
名前の由来
深い緑色の水を湛えた近くのEmerald湖に由来する。
Chancelloria
キャンセロリア
想像図
化石
大きさ
20cm
名前の由来
オンタリオの大臣(chancellor)であった人物に由来してなずけられた付近のChancellor Perk (3280m)から。
Mackenzia
マッケンジア
大きさ
20cm
名前の由来
カナダの第二代首相Alexander Mackenzie (1822-1892)にちなむ、付近のMackenzie山から。
Helmetia
ヘルメティア
想像図
化石
大きさ
19cm
名前の由来
ヘルメットの形をした付近のHelmet Mountain (3,138 m)から。
Echmatocrinus
エクマトクリヌス
想像図
化石
大きさ
18.5cm
名前の由来
ギリシャ語で「茎」を表すechmatosと、ゆりを表すkrinosから。ゆりのような茎というところか。
Tuzoia
チュゾイア
想像イラスト
化石
大きさ
18cm
名前の由来
Tuzo山から。
Wapkia
ワプキア
想像図
化石
大きさ
17cm
名前の由来
不明
Sidneyia
シドネイヤ
想像図
化石
大きさ
16cm
名前の由来
発見者であるWalcottの息子のSidneyの名から。
Branchiocaris
ブランキオカリス
想像図
化石
大きさ
15.5cm
名前の由来
ギリシャ語で「鰓」を意味するbranchionとエビを意味するcaris。すなわち「鰓のあるエビ」。
Eldonia
エルドニア
想像図
化石
大きさ
15cm
名前の由来
カナディアン・パシフィック鉄道のEldonという駅の名前から。
Hazelia
ハゼリア
想像図
化石
大きさ
15cm
名前の由来
Hazel Peak (3,151 m)から
Odaraia
オダライア
想像図
化石
大きさ
15cm
名前の由来
Odaray Mountain (3,159 m) から
Ottoia
オットイア
想像図
化石
大きさ
15cm
名前の由来
Otto Pass (2,106 m)から
Morania
モラニア
想像図
化石
大きさ
13cm
名前の由来
Moraine Lake (1,885 m)から
Ogygopsis
オギゴプシス
想像図
化石
大きさ
13cm
名前の由来
ギリシャ神話のOgygiaから。OgygiaはAmphionとNiobeの7番目の娘。Ogygiaは最初、三葉虫属につけられた名前。
Odontogriphus
オドントグリフス
想像図
化石
大きさ
12.5cm
名前の由来
ギリシャ語のodontos「歯」とgriphos「謎」。歯の生えた謎、といったところ。
Xanioascus
想像図
化石
大きさ
12.5cm
名前の由来
ギリシャ語のxanion「櫛」とaskos「瓶代わりに使われた皮のバッグ」から。櫛状の筋の入った袋といったところか。
Leanchoilia
レアンコイリア
想像図
化石
大きさ
12cm
名前の由来
Leanchoilという駅の名前から
Fasciculus
想像図
化石
大きさ
11.4cm
名前の由来
ラテン語のfasciculus「束」から。沢山の櫛状の列があることから。
Banffia
バンフィア
想像図
化石
大きさ
10.5cm
名前の由来
Banffという町の名前から
Opabinia
オパビニア
想像図
化石
大きさ
10.1cm
名前の由来
Opabin Pass (2,606 m)から
Sanctacaris
サンクタカリス
想像図
化石
大きさ
9.3cm
名前の由来
ラテン語のsanctus「聖なる」とエビを意味するcaris。聖なるエビ。
Olenoides
オレノイデス
想像図
化石
大きさ
9cm
名前の由来
ギリシャ神話のOlenusから。妻のLethaeaと共に石に変えられた。Olenusは元々三葉虫につけられた名前。”oides”の部分は「~に似ている」で、後でつけられた。「三葉虫のような」。
Vauxia
ヴァウヒア
想像図
化石
大きさ
9cm
名前の由来
Mount Vaux (3,319 m)から
Waptia
ワプティア
想像図
化石
大きさ
8cm
名前の由来
Wapta Mountain (2,778 m)から
Nectocaris
ネクトカリス
想像図
化石
大きさ
7.2cm
名前の由来
ギリシャ語のnekto「泳ぐ」と、ラテン語のcaris「エビ」。泳ぐエビ。変な名前だが、元々は節足動物と考えられていたため。
Ctenorhabdotus
テノラブドトゥス
想像図
化石
大きさ
7cm
名前の由来
ギリシャ語のktenos「櫛」とrhabdotos「縞模様」から。
Alalcomenaeus
アラルコメナエウス
想像図
化石
大きさ
6cm
名前の由来
ギリシャ語の「Alalcomenae」から。女神Athenaが生まれた場所。
Aysheaia
アイシュアイア
想像図
化石
大きさ
6cm
名前の由来
Aysha peak (3,065 m)から
Eiffelia
想像図
化石
大きさ
6cm
名前の由来
Eiffel Peakから
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