2015年7月4日土曜日

エウロパ(Europa)

エウロパ(Europa)は木星の衛星です。

写真1:エウロパ 提供:NASA / Jet Propulsion Lab-Caltech / SETI Institute

表面は氷で覆われています。また非常に薄いですが酸素の大気も存在するようです。表面は筋やひび割れで覆われていますが、一方でクレータは少なく、太陽系の固体の物体としては最もクレータの少ないものです。このため、氷の表面の下に液体の海があり、それによって丁度地球の大陸移動のように表面が移動して、常に新しい表面が生まれているのではないかと考えられていました。

図1:エウロパの内部構成図 (提供:NASA)

さらに、2013年12月、NASAはついにエウロパの表面から水蒸気が吹き上げているのを観測したと発表しました。この噴射は200kmもの高さに及びエベレストの20倍にもなるというものです。ちなみに地球でも同じような間欠泉は見られますが(写真2)、さすがにそのような高さには及びません。

エウロパ表面から見える景色はこのようなものではないかという想像が、参考資料[1]に出ています。

図2:吹き上がる間欠泉を含む、エウロパ表面からの景色の想像図[1] (提供:NASA)

液体の海の存在と、活動的なその性質から、生命が存在するのではないかと考えられている惑星の一つです。従って各国が探査機を送ることを考えていますが、地球からの遠さとその技術的難しさのために容易ではありません。2004年にNASAが提案したJupiter Icy Moons Orbiter (JIMO)ミッションは、なんと総額1.6兆円!。さすがの宇宙大国アメリカをもってしてもそのあまりの壮大さにキャンセルされました。その後も検討が続けられ、欧州宇宙機関ESAが2022年に打ち上げて2030年に木星に到着するJupiter Icy Moon Explorer (JUICE)や、NASAが2025年打上を予定しているEuropa Clipperなどが計画されています。いずれにせよ壮大な計画ですね!

参考資料
[1]Cook, Jia-Rui C.; Gutro, Rob; Brown, Dwayne; Harrington, J.D.; Fohn, Joe (12 December 2013). "Hubble Sees Evidence of Water Vapor at Jupiter Moon". NASA.

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